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カミキリムシ成虫の駆除

 カミキリムシは、幼虫が木の中で成長することによる食害の被害が大きく、その駆除についても手間がかかります。これを予防するためには、成虫を産卵前に効果的に駆除することが重要です。しかし、カミキリムシの成虫は飛来することで活動範囲が広く、生命力も強いため、農薬を用いた化学防除を試みとき、効果のある薬剤を意図的に選択して効果的に用いる必要があります。
・農薬を用いない駆除
 カミキリムシの成虫駆除では、成虫は大きく目立ち、飛来してとまる木にも一定の好みがあります。家庭の果樹園や、発生の少ない年の駆除では、この成虫の好みを予め把握し、注意しておくことにより、物理的に駆除することで一定の効果をあげることができます。管理人の梨の果樹園における成虫が好む果樹の例:キウイフルーツ、プラム、ゆず など。特に日当たりの良い木に多く飛来します。

カミキリムシの成虫に効果がある農薬(殺虫剤)

・モスピラン液剤
希釈倍数・・・2000~4000倍
適用作物・・・うめ、かき、かんきつ

・ダントツ水溶液
希釈倍数・・・2000~4000倍
適用作物・・・かんきつ、いちじく、おうとう、かき、なし、ぶどう、りんご、もも、ネクタリン、あんず、うめ、すもも、ブルーベリー、パパイヤ、マンゴー

・スタークル顆粒水溶剤
希釈倍数・・・1000倍
適用作物・・・りんご、もも・ネクタリン、おうとう、なし、かき、マンゴー、ぶどう、かんきつ、キウイフルーツ、びわ、あけび

・アルバリン顆粒水溶剤
希釈倍数・・・ブドウトラカミキリ 2000倍
希釈倍数・・・ゴマダラカミキリ 1000倍
適用作物・・・かんきつ、おうとう、かき、キウイフルーツ、なし、ぶどう、りんご、もも、ネクタリン、小粒核果類、びわ、マンゴー、あけび

・ベニカ水溶剤
りんご、なし、もも、すもも、おうとう、うめ、ぶどう、かんきつ、かんきつ(苗木) 、かき、マンゴー、いちじく、ネクタリン、あんず、パパイヤ、ブルーベリー、オリーブ

・スミチオン乳剤
希釈倍数・・・ブドウトラカミキリ 1000倍
希釈倍数・・・センノカミキリ幼虫 100倍
適用作物・・・みかん、なつみかん、ぶどう、うめ、もも、おうとう、かき、りんご、オリーブ、たらのき、なし
※スミチオン水和剤は有効成分MEP40%(スミチオン乳剤:有効成分MEP50%)のため小型のカミキリムシであるブドウトラカミキリムシにのみ効果が明記されています。スミチオン水和剤を希釈倍数の下限値800倍(希釈倍数の範囲800~1200倍など)で濃く使用することで一定の効果を期待することができます。

・スプラサイド乳剤40
希釈倍数・・・1000~2000倍
適用作物・・・みかん、かんきつ、マンゴー、くり

 各農薬は、記載内容を確認し適用作物毎の用法・希釈倍数を守って使用する必要があります。薬剤自体に効果があっても使用する作物での希釈倍数により効果がない場合もあります。
 また、メーカーが薬剤自体に効果があると紹介していても、ラベル等のデーターシートに明記されていないものもあります。
 同じ農薬名称でも乳剤・水和剤などの違いにより用法や効果が異なります。
 成虫の発生時期(6月下旬~7月頃)に他の防除を含めた目的で使用することで効果的な防除が期待できます。
カミキリムシ類
 ・カミキリムシに効果がある農薬については、カミキリムシ成虫の駆除へ
  ・農薬の具体的な効果については、カミキリムシ駆除の薬剤効果の残効性
   ・木の幹に巣食う幼虫については、カミキリムシ幼虫退治

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