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剪定枝の活用と処分方法

 剪定作業で多量に発生する枝は、燃やすことでカリウムを含むアルカリ肥料の草木灰。堆肥化することで窒素・リン酸・カリを含む肥料として活用できます。そのまま処分する時では、通常可燃ごみとしての廃棄処分することができます。
・剪定作業で発生する枝の処分の必要性
 果樹や植木の栽培必要となる整枝剪定後に多量に発生する不要な枝。木の下や周囲に放置すると景観を損なうだけでなく、他の作業の障害ともなります。
 また、枝や枝の芽等で病原菌が害虫が越冬する。腐敗する過程で菌(材質腐朽菌)や害虫と温床となるため適切に処理しなければなりません。特にサルノコシカケに代表される材質腐朽菌が繁殖すると胞子をまき散らすため育成する果樹等の大きな害となるため注意が必要です。
 材質腐朽菌については、果樹の栽培方法(梨の育て方) > 果樹の茸除去 > 材質腐朽菌

・焼却による処分
 剪定で発生した枝は適切(有害物質等を含まないよう)に燃やし灰にすることで3大養分(窒素、リン酸、カリウム)の内、自然肥料として補給が難しい貴重なカリウム分を含むアルカリ肥料として活用することが出来ます。
 枝を燃やすことで短期間に処分(体積を大きく減らす)することができます。
 草木灰にする方法については、果樹栽培の肥料 > 草木灰の効果と使い方

剪定枝の堆肥化(有機質堆肥化)
 枝は落ち葉等と同様に腐らせることで有機質堆肥土(腐葉土)として活用することが出来ます。
 しかし、枝はそのまま集積して放置しても体積が大きく場所をとるだけでなく、発酵(分解)に数年単位での期間が必要となります。
 このため、体積の圧縮。発酵斑の防止(均一な発酵)等に粉砕機によるチップ化を行うことが一般的です。

・地中に埋める
 穴を掘り枝を埋めて処分することで腐敗し、何れ堆肥となります。
 落ち葉の処理でも落葉からの病気や害虫を予防するため、埋めて処分します。剪定は落葉と比べて腐敗(堆肥化)するために長い期間が必要となります。
 埋める前に粉砕機でチップ化しない場合、特に太い枝は腐敗するまでに年単位での期間が必要となるだけでなく、大きい枝は作業が難しくなります。
 また、実際やると処分できる量が限られ、多くを処分することは難しいです。
 白紋羽病の懸念がある土壌では、病気(菌の増加)の悪化や発生が懸念されるため、不向きです。

・薪としての使用(暖炉)
 剪定作業で発生する枝の内、主枝や幹等の比較的太い箇所は薪として暖炉に使用することが出来ます。
 しかし、暖炉と使用するには含まれた水分を十分に乾燥させる必要があるります。このため、実際に薪として活用できる翌年からとなります。
 また、多くが枝が曲がりや側枝等があるためそのままだと運搬に不向きであり、運搬と薪として使用するためには、鉈(なた)やチェンソー等で整える作業が多く必要となります。

・廃棄物として処分方法
 剪定で発生して枝は、通常(多くの市町村で)燃えるゴミ扱いとして処分することが出来ます。
 家庭の庭木や果樹で発生する剪定枝の量であれば、通常規定の長さに揃えるとこでゴミ回収にて回収処分することができます。また、多量であれば複数回に分ける。纏めてではクリーンセンター等に持ち込むことで処分することが出来ます。
 事業活動(造園サービスを含む。建設業の造園工事業を除く。)で発生した剪定枝については、産業廃棄物の「木くず」には該当せず、一般廃棄物として処分することが出来ます。
 建設業の造園工事業における工事で発生した剪定枝は、産業廃棄物として処分しなければなりません。
 実際の処分では、各市町村のゴミ処分方法を確認して下さい。
剪定作業で発生した枝 剪定作業で発生した枝
 冬の整枝剪定を行うことで切り落とした枝。
 害虫や病気予防のため果樹園内から運び出すなど、適切な処理をしなければなりません。

果樹栽培の肥料
 ・肥料は用いる時期については、果樹肥料の時期と効果
  ・もみ殻の利用については、もみ殻の使い道と効果
   ・灰の利用については、草木灰の効果と使い方
    ・剪定で発生した枝の活用については、剪定枝の活用と処分方法
     ・有機質堆肥として活用については、剪定枝の堆肥化
      ・コーヒーの出涸らしの利用については、コーヒー滓 肥料

肥料を使用しての土作りについては、
梨の病気被害と対策>「農業の土づくり」にて紹介しています。


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