剪定鋏の使い方
剪定作業で、枝を切り落とす際に使用するのが、剪定鋏やノコギリです。剪定鋏は握力に任せて、作業を行うと手に負担がかかりだけでなく、自ずと切断能力にも限界があります。しかし、コツを掴むと、切断能力が飛躍的に向上するだけでなく、剪定鋏も長持ちします。
通常の切断方法で2cm、回し切りの方法で3cm程度の枝まで切断が可能です。
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受け刃を下にして持ち、切捨てる側を「受け刃」側、残す側を「切り刃」側にして使用すると断面が綺麗に仕上がります。しかし、大差があることではないので、実際の作業では、怪我をしないこと、力を入れやすいことを考慮し使用する方が良いです。刃の向きはさほど気にする必要はありません。
・力の入れ方
単純に力任せに切断しようとすると、必要以上に力が必要になります。
ある程度の太さがある枝では、右手で鋏に力を加えづつ、左手で切断面を開くように力を加えます。
<剪定鋏の使用例> | |
<正しい使用例> 空いている手で、赤字の矢印の向きに倒しながら、力を加えます。 |
<実際の使用例> ・太さ直径約2cmの枝を切ります。 |
→・右手に剪定ばさみ ・左手で切り捨てる枝を持ち、左手は鋏の刃を枝が挟まないように上方に持ち上げています。 |
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→・切断後の切り口です。 切断面の壊死を防ぐ為、枝が残らない右側を深く切り落とすために鋏を斜めに使用しました。 このため、切断面の直径は2.5cm程度と大きくなっています。 今回は、壊死の回避の為に鋏を斜め使用しました。しかし、太い枝では斜めに切断したほうが切れやすく、作業が容易になるといった効果もあります。 |
・剪定鋏の使い方(回し切り)
刃に挟むことが出来ても、刃が開きすぎて切断が出来ない場合、鋏(又は、枝)を回しながら力を加えると用意に切ることが出来ます。回すときは、左手で切断面を開くようにし、刃が入りやすくすることが大切です。
・剪定鋏の使い始め
新品の剪定鋏。切れ味を期待して力いっぱい試すと、なぜか「受け側」が折れることがあります。
これは、これまでの経験からの見解ですが、鋏にも慣れがあるようである程度使用しないと、十分な切断能力を発揮しません。剪定鋏の入替え(買換え)を行うときは、古い剪定鋏と併用する期間を持つことで解消されます。
・本職の剪定鋏や鋸(ノコギリ)と手入れ等
本職の使用する剪定鋏や鋸(ノコギリ)って?と言うことで、現物の公開と紹介です。
・剪定鋏
大きさは、180~225mmの規格がありますが、管理人愛用の剪定鋏は、200mmのものです。
購入価格は、2,000~5,000円程度です。
手入れは、バネ・ネジの緩みの確認と、支店部分の注油のみです。これまでの使用経験から、ステンレス鋼より通常の鋼のものが良いと思います。(掲載写真参考)
・鋸(ノコギリ)
折りたたみタイプ(写真左)
シルキー ゴムボーイ(万能目)270mm
購入価格は、本体3,000円、替刃2,000円程度です。
手入れは、ネジの緩みの確認と、定期的な刃の交換です。このノコギリは、管理人が最近使ったノコギリでは久しぶりのヒット商品で、ゴムが手に馴染み扱いやすいです。お気に入りなので、左の欄に、広告も出しちゃいました。
グリップタイプ(写真右)
刃の長さ240mm、万能目
手入れは、ネジの緩みの確認。定期的な刃の交換です。
・手入れや、高級品等の管理人のスタンス
剪定鋏の手入れでは、刃を研ぐことを考える人もいると思います。
管理人も、鋏用の研磨機を購入し定期的に研いでいました。しかし、年間を通じて使用(持ち歩く)する中で、紛失の問題や、刃の切れ味よりもバネの部分が外れたり、ネジが緩んだり、研いで噛み合わせが悪くなる等で研ぐことをやめました。それでも、かなり酷使してますが年間1本程度の使用で十分間に合ってます。
鋸(ノコギリ)には、目の種類により、作業速度や断面に違いが出ます。梨では、断面の問題から粗目は使用できません。しかし、細目だと作業効率が遅くなる為に万能目を使用しています。
本職の中では、高級品のノコギリを使用し専門業者にて研ぐ(目立て)を行う人もいます。
替刃を定期的に交換することと、目立てを行うこととどちらが良いかは、それぞれの判断基準です。参考に、管理人は1年間で5~10枚程度の刃を使用しています。
・梨の剪定
・梨の剪定1 苗木~3年目頃
・梨の剪定2 4年目頃から
・剪定作業の樹勢バランスの判断方法
・主枝の復活
・梨の剪定3 樹勢バランスを整える方法
・剪定鋏の使い方
・トップジンMペースト 使い方(殺菌癒合剤)