果樹を甘くする有機肥料 油かす肥料

 果実を甘くするためには化成肥料ばかり頼らず、有機肥料を使用することが効果的です。有機肥料はミネラル分や繊維質を含むことで微生物の活動が活発となり、豊かな土壌を作ることが出来ます。
 果樹の甘味のために使用される有機肥料では、主に油かす肥料が有効ですがや、甘味を目的として使用する時には、使用時期も甘味に大きく関係します。

・油かす有機肥料の種類
 ・菜種油粕、大豆油粕 及び 油かす類を含む混合有機肥料
・甘味を目的として使用する時期
 5~6月末まで
・有機肥料の注意
 5~6月に甘味を目的として使用する時の有機肥料は、鶏糞、牛糞等の発酵堆肥ではなく油粕肥料です。
 鶏糞、牛糞の使用では、元肥等の使用により土壌のミネラル分を補給し、長期的な観点では甘味に影響を与えます。しかし、短期での効果を期待する場合、より微生物の活動が活発化する油かす肥料の方が大きな効果を期待することができます。
 果実の成長期となるこの時期に鶏糞、牛糞等の発酵堆肥を多く使用すると、養分過多や土壌pHの変化等により果実が大きく成長する反面、甘みが付き難いこともあります。
 5~6月の油粕類の使用後は、有機堆肥同様に化成肥料を使用すると果実が大きく成長する反面甘みが付き難くなるため、収穫後まで化成肥料等を用いません。

・甘みの効果、その他
 果樹の甘みを決定する要因としては、日射量、降雨量、気温。果樹の生育状況、土壌の構成栄養素、気温などの様々な影響により決定されます。
 紹介する内容は、管理人の経験や果樹仲間での情報が中心となっており、植物学としての見解ではありません。信じる、信じないはご自由ですし、同業者や関係者様々な意見があると思います。一見解として参考にして下さい。

果樹を甘くする有機肥料の使用(油粕)

油かすの写真 菜種油粕の拡大写真
 さらさらで、香ばしい香りがします。
 さらさらすぎて、風の強い日に散布すると風に流されます。
 風の弱い日に使用することが望ましいです。
あぶらかすの写真 菜種油粕の袋と中身
 肥料の中で、油粕は紙袋を使用されている場合もあります。紙袋は湿気を帯びにくいという利点がありますが、長期保管をし難いです。
 長期保管すると、湿気によるカビの発生。ネズミによる食害等の被害を受けます。
 購入後は、速やかに使い切ることをすすめます。
油粕の搬入写真 菜種油粕の搬入
 果樹園内に油粕を搬入します。
 写真で、約30袋(600kg)の積載です。
 ※過積載による重量オーバーですが、果樹園内で積み込みをし、公道を走行していません。
手押し肥料散布機 手押し肥料散布機での散布
 果樹の根が広範囲に広がっているため、肥料散布機を使用して均一に広範囲に散布します。
 容量60リットルの肥料散布機に40kgの油粕を入れて散布しています。
有機肥料の散布写真 菜種油粕の散布
 果樹園全体に満遍なく散布します。
 散布量は、梨の木1本当り約3~4kg程度になります。
土壌攪拌写真 菜種油粕の土壌攪拌
 散布した油粕が効果的に作用するように土と攪拌します。また、同時に雑草を除草します。
 ※土壌改良2で行ったトラクターの使用より浅い範囲で使用します。理由は、春以降に根が既に成長していることから新しい根を切断(成長を阻害)しない為です。
 管理された果樹園写真 油粕の散布と土壌攪拌が終了
 梨が甘くなるように、これ以降、散水と除草を除いて一切土壌を触りません。
 特に、果実が大きくなるように肥料の使用すると果実の甘くなりにくくなります。
・油粕使用後の土壌撹拌について
 油粕を管理機・トラクターで撹拌する主な目的は肥料効果の促進と、雑草等による養分ロスの防止です。
 しかし、土壌との撹拌を行うことで地表面の油粕の塊が除去され、異臭の軽減効果。虫(不快虫)の発生予防。カビの発生予防。発酵ガスによる植物への害予防などに大きな効果があります。

 発酵済み油粕や、油粕に発生するカビ、油粕に含まれる成分については姉妹サイト「園芸栽培ナビ」紹介しています。詳しくは、(外部リング)
 園芸栽培ナビ>園芸の肥料>油粕に発生する白いカビと肥料効果

農業の土づくり
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       ・油粕の使用については、果樹を甘くする有機肥料の使用
 土壌の酸性度(PH)測定に関することは、
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