果樹棚の整備資材
果樹棚に使用される針金は水や農薬等からの耐腐食性能が高く、引張に対する破断強度が高い鋼線や撚線が使用されます。このため切断や捻じ曲げによる加工しての固定などの扱いが難しく、線を果樹棚として強く張るには専用の工具が必要となります。・針金線と樹脂ロープとの違い
果樹棚に使用される棚線には鋼の針金線の他、エクセル線等の樹脂ロープも使用されます。
樹脂ロープは安価で軽く扱い易い一方で、針金線と比べて衝撃による破断に弱い特徴があります。規模の大きい果樹棚では針金線。規模の小さい果樹棚では小張線に樹脂ロープが使用されます。
・主な整備資材
・交差クリップ(#8番4.0mm用、#10番3.2mm用)
果樹棚の棚線が交差する箇所を固定し、動かないようするために使用します。
・巻付グリップ
強力に引っ張った果樹棚の棚線や周囲ワイヤーを支柱等に固定する為に使用します。U字形状で周囲ワイヤーとの固定に使用するシンプル、支柱との固定に使用する鋼菅柱用、ワイヤー同士を延長する直線接続用などがあります。
・張線器
棚線や周囲ワイヤーを強力に引くために使用します。
手動ウインチ部分:「ハルー」「シメール」。クランプ部分:「カムラー」「クランパー」という商品名などで呼称されています。果樹棚の規模によりますが、幹線や小張線で500kg引き。周囲ワイヤーで1,000kg引きを使用します。
・ペンチ(全長200mm)
針金を曲げたり、捩ったり、引っ張ったりするために使用します。作業では大きめのペンチが2本あると作業し易いです。
・ボトルクリッパー(ワイヤーカッター)(全長360mm)
針金の切断に使用します。果樹用針金は固いためペンチでは切断し難いため必要となります。
・ボトルクリッパー(ワイヤーカッター)(全長750mm)
太い棚線や撚線のワイヤー、重なり合った棚線を纏めて切断するときに使用します。
・その他の資材
溶融亜鉛メッキ(どぶ漬けメッキ)が使用された果樹用針金や果樹用支柱の防錆剤。強い力を加えるウインチ類を使用します。
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果樹棚の整備資材
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・整備での主要資機材 ・ペンチ2本(全長200mm) ・ボトルクリッパー(全長360mm) ・ボトルクリッパー大(全長750mm) ・張線器(1,000gk引き) ペンチが小さく見えますが他の資機材が大きいためです。ペンチは一般サイズで大きめになります。 |
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・巻付グリップ類 ・ノギス 針金の太さを確認するために使用します。 ・交差クリップ ・巻付グリップ 鋼菅柱用とシンプル用です。 シンプルは幹線(4.0mm)と周囲線(撚線)用です。 |
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・錆取り防錆用資材 錆取りに使用するサンドペーパー、金属ブラシ。 溶融亜鉛メッキの防錆に使用する亜鉛粉末を含む防錆剤のローバル、ジンクリッチスプレーです。 |
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・支柱用資材 ・ハンドウインチ(1,000kg引き) ・シャックル(1,000kg用) ・ナイロンスリング ・玉掛けワイヤー 支柱を引く時など大きな力を加える時に使用します。 |
・資機材取扱い上の注意 強度の高い鋼製の針金に使用するため、各整備資機材は大きく重量があります。 また、張線器、ハンドウインチは非常に大きな力を加えるため扱いを誤ると重大な事故につながります。使用では取扱方法を熟知し、資機材の整備(点検)や作業時は注意が必要です。 |
次ページ:張線器(ハルー、シメラー)の使い方 |
・果樹棚の整備 ・整備に必要な資機材については、果樹棚の整備資材へ ・棚線を強く張る資機材は、張線器(ハルー、シメラー)の使い方へ ・張線器の保守点検は、張線器のメンテナンスへ ・張線器を使用した棚線の張り方は、張線器による果樹棚の棚線張りへ ・果樹棚の小張線の張り方は、果樹棚の小張線張りへ ・支柱からの吊り線は、吊線による果樹棚の補強へ ・錆びた棚線の補修は、錆びた棚線(針金)の修理へ ・棚線の延長や繋ぎ直しは、切れた棚線(針金)のつなぎ方へ ・支柱の追加方法は、果樹棚の支柱立て方へ ・周囲柱を抑えるワイヤーの張り直しは、支柱ワイヤーの張り方へ ・不要となった支柱の撤去は、支柱の撤去 へ |