園芸の土作り

 休耕地や前年に園芸栽培をして以降、放置してあった土地を作物に適した園芸用地となるよう、PH(土壌酸度)を調整し、苦土(マグネシウム)を補給することで園芸の基礎となる土作りを行います。

主な内容
・雑草の除去
・土壌酸度の中和
・苦土(マグネシウム)の補給

使用資機材
・トラクター
・苦土石灰(粉)
・土壌酸度計
 ※酸性が強い土壌では、苦土石灰の代わりに消石灰を使用します。
 ※ナスの栽培では、苦土が重要な栄養素の一つであるため、消石灰だけ使用しても苦土(マグネシウム)が不足します。酸性が強い場合には消石灰と苦土石灰の両方を用います。

主な園芸作物の適正pH
 pH値 種類 
6.5-7.0 ほうれん草、エンドウ
 6.0-6.5   茄子、胡瓜、とまと、ピーマン、スイカ、獅子唐・唐辛子、ズッキーニ、トウモロコシ、メロン、ニラ、ネギ、白菜、レタス、水菜、南瓜
 5.5-6.5 イチゴ、ゴーヤ、カブ、大根、人参、キャベツ、小松菜、玉ねぎ
 5.5-6.0  サツマイモ、ジャガイモ、生姜 
 正確に土壌の酸性度を調整する場合は、「土壌ph測定器によるph測定と調整方法」にて紹介しています。

園芸の栽培方法(準備編)

荒地写真・作業前の休耕地(荒地)
 雑草が繁殖しています。写真では分かり難いですが、雑草には、酸性度に傾いた土に生えるスギナも繁殖しています。
・園芸用マルチの場所決め。
 どこに園芸を行うか場所を決めます。栽培する種類により好む土壌が異なるので、大まかに何をどこに植えるか先に決定します。
石灰の土作り写真・苦土石灰(粉)の散布
 土作りの第一歩。スギナが生育する酸性土壌を、園芸栽培に適したアルカリ土壌に中和を行います。
 作物により適したphが異なります。ナス・トマト・シシトウは特に酸性土壌を嫌います。十分な中和を行う為、タップリ石灰を使用します。
園芸の土作り写真土石灰散布後
園芸用マルチが中心になる様に苦土石灰の散布を行いました。

範囲:約30m×2本
石灰の使用量:苦土石灰(粉)20kg×10袋=200kg
トラクターの使用・トラクターを使用
 作物の根が成長しやすくなるように、トラクターを用いて土を砕き、土壌を柔らかくすると同時に、石灰を土壌に攪拌、雑草を地中に埋めます。※1
 マルチをあてる部分は可能な限り深く掘り起こします。※2
園芸の土づくり完了写真
・園芸の土づくリ(荒地の下準備)完了

 トラクターの使用が完了しました。栽培する箇所は、深く耕す為3回。その他の部分は1回耕しました。

 石灰を土壌に馴染ますため、約2週間放置します。
土壌ph測定
・土壌pHの測定
 使用した石灰の効果を確認するため、使用から1~2週間後に測定を行います。
 複数個所を測定し平均値を参考のpH値とします。必要に応じて石灰を補充します。
※1地中に埋まった雑草はミミズの餌となる有機物となり、ミミズが繁殖することで土壌環境か改善します。
※2トラクターによる耕運では、連作障害には効果ありません。連作障害の解消には別に鋤を用いて30cm以上掘り起こす必要があります。
次の工程  土壌ph測定器によるph測定と調整方法

ページトップに戻る