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土壌ph測定器によるph測定と調整方法

 園芸を行うとき、育てる作物により適正な土壌のPH(酸性度)な異なります。良い土壌であってのも徐々に酸性に傾くため、植物を育てる時は栽培用地を常に適正なPHに保つ必要があります。
 土壌のPHは、見た目では判断できませんが土壌酸度計を使用することで簡単に測定することが出来ます。

・PHが偏った時の影響
 酸性が強い 又は アルカリ性が強い場合、各肥料成分は溶解し難くなることで植物が吸収し難くなり、生育が悪くなります。各肥料成分は、成分が書かれた値にある時、溶解し易いPH値です。
 例:窒素であればPH6.0~8.0の間にあるときが溶解し易い。
・    PH6.0 < 窒素       > PH8.0
・    PH6.0 < カリウム  > PH7.5 , PH8.5 < カリウム
・    PH6.0 < 硫黄
・     PH6.5 < カルシウム      > PH8.5
・     PH6.5 < マグネシウム     > PH8.5
・ PH5.0 <    マンガン    > PH8.0
・ PH5.0 <    ホウ酸   > PH7.5
・ PH5.0 <    亜鉛       > PH8.0 
・ 鉄 <PH6.5

・使用資機材
・土壌酸度計(シンワ測定株式会社)
・サンドペーパー 
・水

土壌ph測定器によるph測定と調整方法

シンワ 土壌酸度計・土壌酸度計※1
 メーカー: シンワ測定株式会社
 製品名 : 土壌酸度(pH)計A
 参考価格:4,000~5,000円程度
・耐水サンドペーパー
 #800番(目安#400~#1000)
・水
 測定前に土を湿らせるために使用
散水作業・測定箇所の散水
 PHの測定する箇所は十分な水分がないと測定できません。測定箇所が乾いている場合、たっぷりの水で濡らし、20分~30分程度馴染ませます。
 手間を省くため、降雨後に測定すると散水作業は必要ありません。
電極を磨く・電極を磨く
 電極部が腐食すると適正なPH測定を行うことが出来ないため、使用前に先端の電極部(亜鉛)をサンドペーパーで磨きます。
 電極部が光沢がでれば適正に磨かれています。過度に磨くと磨耗して減っていくため、サンドペーパーで挟んで2周ほど磨く程度です。※2
PH測定・土壌酸度計を土に挿す
 電極部が完全に隠れる深さまで土壌酸度計を地面に差し込みます。
土を固める土を固める
 培養土や耕された土は空気を含み密着性が悪いため、正確な測定が出来ません。
 土壌酸度計に土が密着するように土を押し固めます。
PH値の確認・土壌PHの測定
 1分程待ち、針が停止した地点がPH値です。
・測定結果を平均化
 複数個所を測定し、平均化することでより正確な土壌酸度を求めます
土壌酸度計の清掃土壌酸度計の掃除
 使用した土壌酸度計の付着した土や水分を拭取り掃除を行い、腐食を予防します。
 保管時は湿気で腐食しないよう、床に放置せず棚などで保管します。腐食防止にグリス等の油分を使用した場合、次回使用時に油分をとってから使用します。
・土壌PHの調整
 酸性土壌をアルカリ方向に変更する場合、石灰肥料を用いる方法が一般です。
 PH値を調整する場合、値の大きさは石灰の量で、植付などにために変更する期間がある場合は石灰の種類で調整します。使用後は石灰が土壌と馴染んだ時期に再度測定を行って確認します。
 ・消石灰   効果確認する期間 約2週間
 強い中和作用がある反面、中和過程で大きな作用のため植物に大きな影響を与えます。主に酸性度が強いとき作物の植付前に余裕をもった期間があるときに用います。

 ・苦土石灰  効果確認する期間 約1ヶ月
 消石灰と比較し土壌中和作用は低いですが、マグネシウムを補給することができます。中和作用が完全に終えるまでに時間がかかりますが、中和過程でも大きな作用がないため植物に害を与え難いです。

 ・有機石灰  効果確認する期間 約1ヶ月~
 中和作用に非常に時間がかかりますが、植物に害を与えることは非常に少ないです。土壌酸度の測定結果で差し迫った中和作用がさほどない時に用います。

※1製品は防水ではないため、液体の測定や水洗いは出来ません。
※2サンドペーパーの使用について
 電極部はサンドペーパーを使用しなくても測定はできますが、より正確に測るためには表面の腐食部を磨き電極部に腐食していない金属を露出させる必要があります。
 電極部を磨いた状態と、磨かない状態では光沢が明らかに変わります。
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 果樹栽培に関する石灰肥料の使用については、
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