果樹肥料の時期と効果
化成肥料や有機肥料は使用する時期にによって向き不向き。効果を表す時期等に差があります。簡単に纏めると図のようになります。内容は、管理人の専門である梨を中心としていますが、多くの果樹にほぼ共通です。
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時期 | 化学肥料 | 有機肥料※1 | 石灰 | 目的・効果・影響 |
1月 ~ 3月 |
△ | ◎ | △ | ・休眠期、元肥として使用する時期。 ・果樹の休眠期であり、即効性の化学肥料では吸収が悪く、雑草等が養分を多く吸収する為不向き。 ・遅効性の有機肥料や、苦土石灰が効果的に働く。 |
4月 | ◎ | △ | ○ | ・果樹が芽吹く(花が咲く)時期。 ・果樹の開花等に多量に養分を消費する時期で、水溶性の養分吸収を必要とし、活発な吸収が行われる。 ・化学肥料の即効性が最も有効に吸収される時期でもある。 |
5月 | △ | ◎※2 | △ | ・結実した果実が目立つ時期 ・新梢が勢い良く伸びる時期でもあるが、成長と異なり化学肥料での追肥はそれほど必要としていない。 ・有機肥料の油粕が最も効果を表し、果実の甘みに大きな影響を表す。詳しくは、果樹の栽培方法(梨の育て方)>果樹を甘くする有機肥料の使用 |
6月 ~ 9月 |
× | △ | × | ・果樹、果実の成長の時期 ・多量の太陽光と、多量の葉で活発な成長が見られる時期であるが、追肥を行うと、果樹の1年のサイクルが崩れることがある。 特に即効性の化学肥料は、サイクルを乱し、収穫目的の果実に良くも悪く大きく影響を与える。 影響内容として、 「果実が大きくなる。」「収穫時期が遅れる。」「甘みが付かない。」など。 |
10月 | ○ | △ | △ | ・果実の収穫、収穫後 ・果実が成長などが終わり、果樹の翌年の芽の成長や、養分を蓄える時期。落葉までの期間に養分を吸収蓄える。 吸収が早い、即効性の化学肥料が有効に働く。 |
11月 12月 |
△ | ◎ | △ | 1月~3月の内容と同じ |
※2 有機肥料の中でも、油粕を限定してします。
<結実を目的としない苗木肥料の時期>
苗木では、収穫の必要がないため単純に果樹の成長を促す為、良いと思い1年を通して肥料をやる方がいるようですがこれは間違いです。
不適切な肥料の使用は、果樹のサイクルを乱し、本来、病害虫の耐性をもつ表皮が十分に形成されない為、耐性が弱くなります。これにより、極端に病気に弱い果樹となります。
成木と同様に、上の図を参考に肥料を使用する方が良いです。
・果樹栽培の肥料
・肥料は用いる時期については、果樹肥料の時期と効果
・もみ殻の利用については、もみ殻の使い道と効果
・灰の利用については、草木灰の効果と使い方
・剪定で発生した枝の活用については、剪定枝の活用と処分方法
・有機質堆肥として活用については、剪定枝の堆肥化
・コーヒーの出涸らしの利用については、コーヒー滓 肥料
肥料を使用しての土作りについては、
梨の病気被害と対策>「農業の土づくり」にて紹介しています。