花粉の冷凍保存によるキウイフルーツの授粉・受粉
雌雄別株であるキウイフルーツは、雄花と雌花それぞれが開花しないと受粉がなされず結実しません。キウイフルーツの栽培では当たり前のことですが、最近栽培が盛んになりつつある黄色の果肉のゴールデンキウイフルーツは雄花の開花が雌花の開花に比べて遅いことが多く、自然の受粉では結実数が少なくなる(結実しない)ことが多くあります。
・キウイフルーツの結実に必要な条件
・雄株の種類
栽培するとき果実を実らせる雌株の品種に注目しがちです。しかし、キウイフルーツが受粉し結実する為には雄株にも種類があります。
特に緑色の果肉の品種と、黄色の果肉の栽培には雄の品種が異なります。新たな品種を栽培する時には、必要となる雄株の品種確認しましょう。
緑果肉 | 雌株(メス) ・香緑 ・ヘイワード |
雄株(オス) ・トリム |
黄色果肉 | 雌株(メス) ・ゴールデンキング |
雄株(オス) ・孫悟空 |
・受粉しにくいゴールデン
黄色の果肉ゴールデンキウイを栽培した場合、通常時で雄花の開花時期は雌花より約1週間程度遅く開花します。天候等の影響によっては開花時期がさらにずれることもあり、確実に結実させる為には雄花を翌年の為に冷凍保存しておくなどの処置が必要なこともあります。
但し、栽培環境によってはほぼ同時期に咲くこともあるため、この場合は放置しておいても勝手に結実します。
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キウイ雄花の冷凍保存
開花した雄花 ゴールデンキング用の雄花が開花しました。 既に雌花は満開も終わり受粉時期が済んでから、雄花が満開となりました。 |
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雄花を翌年の為の収集 開花した雄花や蕾から咲きかかった雄花を収集します。 完全に開いた雄花は受粉能力が既に失われているため、花びらが開きすぎていない花を中心に集めます。 |
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受粉能力が失われた雄花 写真に写る4個の雄花のうち、左植えのピンクの雄花は花が開きすぎているため受粉能力が失われています。 |
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受粉が可能な雄花 収集した雄花から、不要な開きすぎた花を除去し、受粉能力のある花のみを集めます。 |
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集めた雄花 集めた雄花をビニール袋に入れて冷凍庫にて保管を行います。 ビニール袋を直に閉じると湿気による結露によって花が濡れます。花粉が濡れると、使用するときの受粉能力が低下します。花粉が濡れないよう、冷凍庫にいれる直前まで袋の開けておきます。 花粉は、やや乾燥させても大丈夫です。結露が気になる方は、冷えるまで袋を開けたまま冷凍庫にいれても大丈夫です。 ※ある程度乾燥させても基本的に大丈夫です。 |
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・結実させる受粉については、キウイの授粉・受粉
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