農地

 農業に用する土地のことであり、借地(貸し農地)を利用する方法。相続による所有する。売買により得る方法等。過疎に悩む地方等では無償やほぼ無償に近い状況で提供してくれるところもあります。しかし、営む農業により向き不向きがあるので、農地の選択にはある程度の知識が必要です。

農業用地の概要

農地の売買
 農地の売買には、農地法3条に基づき農業委員会(都道府県知事)の許可を得る必要があります。

農地の知識
 農業のその殆どが農地を活動の拠点とし、安易に移動や変更は出来ません。ですから、その場所選びは慎重になる必要があります。借地で安くすませる。大切なことですが、周辺環境を考慮して下さい。

地理的な問題
 農地で栽培(収穫)した農産物は、出荷(市場等に出す)することより収益得ます。
 特に過疎地では、出荷にあたり、直接市場に出荷を考えた場合、運送費等の費用が多くかかります。また、JA全農等の共同の出荷を行う場合でも、実際に収穫する農地からの距離があるとその運搬に時間がかかります。農繁期(収穫時期)では、作業が集中し定まった期間に出荷を完了する必要があるため、時間を考慮した地理的要因も重要な要素になります。

地質的な問題
 土地には、砂地・泥地等の性質の違いがあます。土地の違いにより、栽培する作物にも向き不向きがあります。

・砂地
 砂丘地では、当然に砂地。その他、造成により砂地にした農地等もある。

・砂地の特徴
 水捌けが良いく含有する養分が少ない(土地が痩せている)。また、砂丘地では、塩分を含有する。
 地面が柔らかいため、耕したり掘り返すことが容易。

・砂地と農作物との関係
 水捌けが良いため、水田には向かない。砂丘地では、大規模な工事を行わないと耕作出来ない。
 地面が柔らかいことにより、サツマイモ・大根等の根野菜の栽培に適しています。その他、西瓜等も適してます。

・泥地
 多くの農地が泥地や粘土質の土地。

・泥地の特徴
 水捌けが悪い。土の粒子が細かく、地面が硬くなる。

・泥地と農作物との関係
 水田の殆どが、泥地等の農地。
 水捌けが悪いとあらゆる農作物に影響を与えるが、暗渠等の排水設備を設置することにより対策を実施している。
 根野菜では、見た目が悪くなることにより商品価値が下がる傾向にある。

周辺環境の問題
・水田地帯と農園地帯
 水田の周囲では、地中の水分量が多くなりやすく、水捌けの良い土壌を好む果樹や野菜等の作物の栽培に適しません。排水設備による改善も可能ですが、通常の農地(農園地帯)に比べて大掛りとなり費用が多く掛かります。

・農産物の違いによる農薬の飛散影響
 栽培する農産物により、使用出来る農薬が異なります。
 昨今のニュースではメタミドホソス等の禁止薬剤が有名です。しかし、日本では厳正に農薬取締法により登録・検査・調査が行われ、人体の影響(安全性)・環境への影響(安全性)を確認された上で販売・使用されています。
 そのため、農薬によっては同様の効果があるものでも使用できる作物対象が特定されていたり、使用できても農薬の残留基準が異なる等の違いがあります。
 出荷・生産に当っては、許認可のされていない農薬を使用しないのは当然として、周囲の作物に使用された農薬が飛散により検出されないことも、出荷に当っては重要なことです。特に水田地帯では、稲作専用に利用されている農薬もあり、果樹や野菜で認可のない薬剤もあり、飛散による影響が懸念されます。

・住宅地と農地
 農地は工業地帯と同じで、付近住民への配慮も必要です。特に酪農などでは、家畜の排泄物による悪臭が発生し、果樹や野菜では多量の薬剤を用いる防除を行う場合、散布した薬剤の飛散します。稲作でも、収穫後の籾殻の焼却による煙等が付近の住宅地等へ影響を与えます。
 稲作の煙で、大きなトラブルになるケースは稀ですが、薬剤や異臭によりトラブルが発生することもあります。

農地の気候的な問題
 農地の位置する気候により、栽培に適した作物と適さない作物があります。将来、収益を上げる必要があることから、収益が見込め、かつ栽培が適した作物を選択する必要があります。
 何かの農作物の産地では、直接市場への出荷は競争が激しく、共同出荷にには新規にに伴い多額の保証金や加入費が発生します。産地の場合、代々専属に営む農家多く、そんな中で商品に質で挑むのは非常に厳しく、収益が上がりにくい側面を有します。

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