果樹棚の支柱立て方
果樹棚の負荷増大による補強のため支柱を追加し、吊線により補強を行います。支柱の追加では後に追加した支柱が防鳥ネット等に障害や傾きが発生しないよう吊りキャップに棚線を通すなど多くの労力が必要となります。・主な資機材
・果樹棚用の支柱
防錆に溶融亜鉛ドブメッキが施された支柱を使用します。
・支柱用の土台
コンクリートの土台を使用します。
・防鳥吊キャップ
防錆に溶融亜鉛ドブメッキ、吊線が行えるフック付きです。
・交差クリップ(3.2mm、4.0mm用)
吊線の行う箇所の果樹棚の棚線を固定するために使用します。
・注意
今回紹介している方法は、支柱を追加することによる果樹棚補強を目的としているため正しい立て方ではありません。
本来、支柱を立てるときは先に棚線を防鳥吊キャップ縦横2本通した後、支柱を立てます。各支柱の上部に棚線が十字に通り支柱のズレ防止と、防鳥ネットを支える棚を構成します。
本来の正しい方法で支柱を立てる時は、棚線による棚の構成作業と同時進行となり大掛りな作業です。本職でも一生に1度か2度しか行わない作業であり、その工程の多さと難しさから専門業者に委託することが多い作業です。
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果樹棚の支柱追加
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使用する資機材 ・防鳥吊キャップ ・支柱用の土台 ・果樹棚用の支柱 |
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支柱を立てる場所 他の支柱の場所。果樹棚の負荷状況を確認し、支柱を追加する場所を決めます。写真では、緑のスコッパを立てた場所に支柱を立てます。 ※支柱の先端(防鳥吊キャップ)のズレを防止できる棚線が通っている場所。後に他の作業の邪魔にならない場所をを選びます。 |
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支柱の土台を埋める 果樹の支柱は、重量を支える為に接地面に鉄板が付いたもの。土台をかませるなどで接地面を大きくして重量を支える構造になっています。地上部分に、コンクリートの土台や鉄板を露出させると草刈等の作業に邪魔になるため埋設します。 |
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支柱を立てる 埋設した土台に支柱を載せます。 支柱を載せたとき、他の支柱の高さと同じになるように深さを調整します。 |
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防鳥キャップを載せる 立てた支柱に防鳥キャップを載せます。 |
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防鳥キャップと棚線の関係 防鳥キャップは、十字(クロス)の溝に沿って棚線を通して使用します。しかし、支柱を後から追加すると棚線2方向に追加しなければ防鳥キャップに通すことが出来ません。 作業を簡略するため、既存の棚線を1本通し、次の工程で棚線とキャップを固定します。 |
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防鳥キャップと棚線を固定 防鳥キャップの上部は夏に防鳥ネットをかけるため、凹凸があるとネットと引っかかります。 棚線との固定には、防鳥キャップの十字(クロス)の溝の内、既設の棚線と並走している溝に棚線を通し、棚線通しを交差した後、果樹棚に下ろして締め付けます。 |
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防鳥キャップと棚線を固定 棚線と固定した支柱の全景です。支柱のズレ防止の観点では2方向(十字)にないと不十分となります。 しかし、支柱先端に棚線が擬似的に通っているため、防鳥ネットの邪魔になることなく立てることができます。 |
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吊線 果樹棚を吊り上げる吊線を行います。 吊線を行うと、単に果樹棚を吊り上げるだけでなく、各方向から引っ張ることにより支柱が安定します。 |
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吊線 吊線を締め付けます。 最初の吊線は、支柱が安定していないため、強く引くと支柱が傾くため、支柱が真っ直ぐになるとちょうど良くなる長さで締め付けます。 支柱の対角線になるように順に作業を行い、支柱の傾きを調整しながら行います。 |
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安定した支柱 左右2本づつ4本の吊線を行い、果樹棚を吊り上げ、支柱も安定しました。 果樹棚が下げっているようであれば、吊線を追加します。 |
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土台の埋め戻し 土台を埋めるのに開けた穴を埋め戻し、作業が終了です。 |
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