支柱の撤去
果樹棚の新設や補強。腐食等により古い支柱が不要となった時には撤去を行います。支柱の撤去では支柱と通る棚線の処理が必要になります。また、穴掘り機(エンジンオーガ)で深く埋めた支柱を引き抜くことが容易に出来ないため、三脚を利用した吊り上げ装置等で撤去を行います。・果樹棚支柱の撤去
古い果樹園では昔の資材を用いた果樹棚に、現在の鋼材を使用した新しい果樹棚で追加整備しています。
古い果樹棚に新たな果樹棚を整備したことにより、古い果樹棚と新しい果樹棚が混在し、古い設備の腐食がすすむことで撤去などの入替作業が必要となります。
・撤去する支柱
撤去する支柱は、古い資材であるため設置時に穴掘り機(エンジンオーガ)を使用して1メートル程埋設して立てた支柱です。現在の資材では支柱とベースが一体となり、浅く埋めているため撤去は容易に行うことが出来ます。
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支柱の撤去
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・撤去に用いる資材1 ・三脚 単管パイプと三脚ヘッドを組み合わせたもの。 ・チェーンブロック 果樹棚の高さが約180cmのため、三脚の全長は約200cmの物です。 |
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・撤去に用いる資材2 ・吊りロープ クレモナロープ100㎝程 ・C型クランプ 吊りロープの滑り止めに使用します。 ・巻付けグリップ(中古) 切断した棚線を繋ぐために使用します。 ・スコップ ・針金を扱う一般工具 ペンチ、ワイヤーカッター、必要なら張線器も。 |
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・撤去する支柱 ・左、灰色の支柱=後から整備した吊り支柱。 ・真ん中、茶色の支柱=腐食により根元で破断した撤去する支柱。 ・右、細く短い緑の支柱=茶色の支柱の破断した根元部分。 根元が破断したことで支柱が果樹棚にぶら下っている状態です。 |
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・ワイヤー線の切断 撤去する支柱を通る棚線のワイヤー線を切断して引き抜きます。 強く張っている線では、張線器を使い棚線を引いて緩みを作った状態で切断します。 |
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・撤去する支柱の根本 緑の棒の位置に破断した先の茶色の支柱が埋まっています。 上部を先に撤去すると、下部が草に埋もれ草刈り機に巻き込むなど危険となります。上部と同時に下部も引き抜き撤去します。 |
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・支柱上部の撤去 支柱を通る棚線を抜き取ったことで支柱上部が撤去出来るようになります。 |
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・支柱根元の露出 支柱の周囲を掘り、吊り上げロープなどを設置するために露出させます。 |
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・吊り上げロープの設置 吊り上げロープ(クレモナロープ)で目通し(くくり吊り)にて設置します。 目通しは吊り上げることで締まり、垂直方向でも滑り難く大きな負荷を加えることが出来ます。 |
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・ロープの滑り止めの設置 目通しのみで吊り上げた際にロープが滑る場合、クランプをロープの滑り止めとして使用します。 クランプは直接大きな荷重に耐えるわけではありません。ロープが滑らないための補助するだけです。 |
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・吊り上げ装置の設置 撤去する支柱の真上となるよう吊り上げ装置(三脚、チェーンブロック)を立てます。 果樹棚があるため、吊り上げ装置は果樹棚の隙間に立てることが出来る小さな物(全長200cm)です。 |
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・チェーンブロックによる吊り上げ チェーンブロックの作業フックを吊りロープにかけ、吊り上げを行います。 |
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・吊り上げ途中 支柱は深く埋まり、素手や長い支柱を使用した梃の要領による作業では動きません。 しかし、吊り上げ装置を使用すると容易に引き抜くことができます。 |
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・引き抜いた支柱 長さ約100cm程。 設置時は亜鉛メッキが施されていましたが亜鉛メッキ後はなく、錆びて土が付着しています。 ハンマーで叩く。数日野ざらしにすると表面の土を落とすことが出来ます。土を落ちれば金属として買取や無償で処分することが出来ます。 |
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・穴の埋め戻し 撤去のために掘った支柱周囲や、撤去により空いた穴を埋め戻します。 |
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・棚線の繋ぎ直し 撤去のため切断した棚線を巻付けグリップを使用して繋ぎ直します。 切断した棚線は錆が発生しているため、可能であれ同時撤去か、張り替えることが理想です。 既に錆が発生しているため棚線のため中古の巻付けグリップ※の再利用します。 |
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・巻付けグリップによる繋ぎ直し 単に切断した棚線のため長さは届きます。 断面を合わせてストレートに繋ぎます。支障があった支柱を撤去したことで棚線が余る場合には、余った分を切り詰めます。 張りが強く届かない場合、張線器で引き繋ぎます。 |
・中古の巻付けグリップの使用 切断した棚線を繋ぐには、新品の巻付けグリップ直線接続用の使用が理想です。 本作業では切断した棚線が古く錆が発生しているため、余っていた(他で撤去し際に発生したもの)中古の巻付けグリップ(周囲ワイヤーと棚線を固定するU字型)を使用しています。 錆が発生していない棚線の繋ぎ直しでは、新品や錆の発生していない状態の良い中古の巻付けグリップを使用します。 ・C型クランプの使用 C型クランプは挟む力で固定する工具であり、本ページの使用方法と本来の用途は異なります。 クランプ本体にロープを取り付ける。吊り上げた際にロープがかかるなど直接力が加わると容易に変形するため、取付場所に注意が必要です。本ページのC型クランプは、作業により変形した際に容易に使い捨て出来るよう開口幅75mmの100均のものを使用しています。 |
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