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張線器(ハルー、シメラー)のメンテナンス

 張線器は非常に大きな力を加える道具であるため、ワイヤーや留め具等に不具合があると力を加えた時にワイヤーの破断やパーツの破損。動作不良を起こす恐れがあります。使用前に点検の実施や、使用の後の保管に注意が必要です。

・ワイヤー部
 ワイヤーの型くずれ(ストランドの飛出)やキンク。素線の切れ。錆が発生すると強度が低下します。問題のあるワイヤーは専用品の交換ワイヤーで交換することが出来ます。
 ・型くずれの原因
  ワイヤーが捻じれや輪が出来た状態で無理に引くとキンク等が発生します。作業中に捻じれや輪が出来た時、一旦捻じれや輪を解いてから引くなど使用方法に注意します。
 ・錆の原因
 ワイヤーを濡れた状態で放置すると、水分が内部に浸透して錆の原因となります。使用後はワイヤーを内部まで良く乾かし、ワイヤーグリスやオイルプレーによる防錆を行います。

・ジョイント部
 テンションをかけた時にワイヤーが捻じれないよう、本体や掴線器の回転するジョイント部が滑らかに回ることを確認します。
滑車部
 レバーを引いたとき往路、復路のワイヤーが均等に力が加わるよう滑車が回ることを確認します。
・ラチェット部、ギア部、掴線器
 ロック等の動作させるバネパーツに錆や変形など動作に支障ないか確認します。

・使用後の片付け

 張線器は金属パーツの塊であるため、水分や湿気により腐食しやすい機器です。
 雨などで濡れた場合、早期に乾かし風通しの良い棚の上などで保管します。特にワイヤーは内部に水分が染み込むため、ワイヤーを引き延ばし風をあてて内部まで良く乾かします。
 ワイヤーは完全に乾いた後、オイルスプレー(ワイヤーグリスの方が良い)で注油します。

張線器(ハルー、シメラー)のメンテナンス

張線器(ハルー、シメラー)の外観点検 ・張線器(ハルー、シメラー)の外観点検
 外観を点検します。古くても錆やねじ・バネ・各ボルトに緩みや変形が無ければ問題なく使用できます。
ワイヤー巻き取り部 ・ワイヤー巻き取り部
 引きのワイヤーの巻き取り部です。ワイヤーに変形やキンク、素線の切れ、錆が無いことを確認します。
固定側ワイヤー ・固定側ワイヤー
 ワイヤーに変形やキンク、素線の切れ、錆が無いことを確認します。
ラチェット、ギア部 ・ラチェット、ギア部
 ロック動作にバネが使用されています。問題なくバネが働くことを確認します。
 固定側ワイヤーと本体間のジョイント部が回ることを確認します。
滑車部 ・滑車部
 滑車が抵抗なく回ることを確認します。
掴線部 ・掴線部
 クランプ本体に変形や掴む部位の摩耗。バネなど動作に問題が無いことを確認します。
ワイヤーの注油 ・ワイヤーの注油
 ワイヤーロープは適度に油分を含むことで水が染み込み内部からの腐食をすることを防止します。
 完全に水分が無い状態でオイルスプレーやワイヤーオイルを注油します。
 次ページ:張線器による果樹棚の棚線張り
果樹棚の整備
 ・整備に必要な資機材については、果樹棚の整備資材
  ・棚線を強く張る資機材は、張線器(ハルー、シメラー)の使い方
   ・張線器の保守点検は、張線器のメンテナンス
    ・張線器を使用した棚線の張り方は、張線器による果樹棚の棚線張り
     ・果樹棚の小張線の張り方は、果樹棚の小張線張り
      ・支柱からの吊り線は、吊線による果樹棚の補強
       ・錆びた棚線の補修は、錆びた棚線(針金)の修理
        ・棚線の延長や繋ぎ直しは、切れた棚線(針金)のつなぎ方
         ・支柱の追加方法は、果樹棚の支柱立て方
          ・周囲柱を抑えるワイヤーの張り直しは、支柱ワイヤーの張り方
           ・不要となった支柱の撤去は、支柱の撤去 へ

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