日焼けした梨

 気温が高く、果実表面に直射日光が当たり果実が高温になると発症し、表皮が濃いオレンジ色(黒い茶色)や、赤っぽい茶色に変色する。重度に日焼けすると果肉が締まり固くなる症状です。
 日焼けした梨は、軽度であれば問題なく食べることが出来ます。また、商品価値は低下しますが、選果により低等級に選別され市販されます。
 重度に日焼けすると果肉が締まり固くなるため、商品価値がなくなり廃棄されます。

・発症の多い品種
 全品種。梨だけでなく、多くの果樹に共通。

・基本的な発生原因と発生条件
 気温が高いときに直射日光が当たり、果実温度が高くなると発生し易くなる。特に気温や果実温度が高くなる午後に西日が当たる部分に発生し易い。
 梨では白い袋を使用した有袋栽培より、無袋栽培で発生し易い。
 有袋栽培であっても、発生原因が直射日光が直接の影響だけでなく、直射日光により高温となることで発生するため、日当たりが多すぎると発生する。

・対策方法
 ・直射日光対策
 新梢を多く残し、(新梢の葉や枝の陰になることで)果実に西日を当てないようにする。
 日当たりの良い上向きの果実を減らし、摘果時に下向きの果実を残す。
 ・蒸散の促進
 葉や果実からの蒸散による気化熱による温度上昇が促進されるよう、潅水(かんすい)を行い果樹に水ストレスを与えないようにする。
 ・細根の発達
 果樹が水分を多く吸収できるよう、土壌改良を行い細根を十分に発達させる。

日焼けした梨

日焼けした梨 ・濃いオレンジに日焼けした梨
 上部の一部が濃いオレンジ(黒い茶色)に変色しています。
 被害箇所が小さいものの、重度の日焼け症状です。
 酷い物では広範囲(最大で半球)が変色する場合もあります。
赤茶けた梨 ・赤茶けに日焼けした梨1
 中心に映る1個が日焼けした梨。
 果実が赤茶け(赤っぽい茶色に変色)る、軽度の日焼け症状です。
 低等級に選別され流通(販売)されます。
日焼けした梨  ・赤茶けに日焼けした梨2
 左3分の1がまだ若く(青く)、右側が日焼けにより赤茶け(赤っぽい茶色に変色)る、軽度の日焼け症状です。
 低等級に選別され流通(販売)されます。
梨の果肉が茶色など変色する主な症状
 ・日焼けした梨
 ・芯腐れ症
  ・梨芯腐れ症の予防と対策方法
   ・心腐れ病に効果のある薬剤
 ・梨のみつ症の原因と対策方法
 ・梨のコルク状果肉障害・水浸状果肉の原因と対策方法

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