農薬の付着(定着)の状況

 スピードスプレーヤー(以下、SS)による農薬の付着(定着)にはSSの位置関係と相対方向により大きな違いが発生します。
 標準的な散布による薬剤定着状況の写真です。
・薬剤付着(定着)に関する各状況
・実施日 : 2017年6月13日
・使用機種 : 丸山製作所 スピードスプレーヤー SSA-E500
・使用薬剤
 スミチオン水和剤(MEP40%)希釈1,000倍
 オキシラン水和剤(キャプタン20%、8-ヒドロキシキノリン銅30%) 希釈 500倍
・SSの車速 : 2.1km/h
・噴霧圧力(実測値) : 1.5MP
・噴霧ノズルの口径 : セラミック製1.4
・薬剤を定着させた土台 : 赤袋(小林製袋産業㈱ レッドワックス防虫 6号)
・風速(付近のアメダス実測値) : 0.8~2.1m/S
・気温(付近のアメダス実測値) : 16.9~17.8℃
・果樹園内の風速(体感) : ほぼ無風
・撮影日 : 2017年6月18日 散布より5日後
・降雨の状況 : 散布後よりほぼ0mm

農薬の付着(定着)の状況写真

散布経路と写真の位置関係
散布経路と写真の位置関係 Ⓐ SS走行経路直上(一方走行)
Ⓑ SS走行経路の境界地点
© SS走行経路直上(往復走行)

記号
↑↓SSの走行方向
〇 梨の木
Ⓐ SS走行経路直上(一方走行)
SS直上における薬剤付着状況下側 ・SS進行方向の正面及び下面(対面した側)
 赤袋の表面に濃い斑点になり多くの薬剤が定着しています。
SS直上における薬剤付着状況上側 ・SS進行方向の裏面及び上面(対面した裏側)
 赤袋の表面に斑点がなく、薬剤の定着が認められません。
Ⓑ SS走行経路の境界地点 
走行経路境界の側面の付着状況 ・横方向の定着状況 1
 (写真では判断し難いです)赤袋の表面に薄い斑点があり、薬剤が定着しています。
走行経路境界の側面の付着状況 ・横方向の定着状況 2
 「横方向の定着状況 1」の裏側です。赤袋の表面に薄い斑点があり、薬剤が定着しています。
走行経路境界の下面の付着状況 ・下面方向の定着状況
 (写真では判断し難いです)赤袋の下面表面に斑点があり、薬剤が定着しています。
走行経路境界の上面の付着状況 ・上面方向の定着状況
 赤袋の上面表面に斑点があり、薬剤が定着しています。
 © SS走行経路直上(往復走行) 
SSが往復した時の付着状況 ・SS往路の正面(対面した側)
 赤袋の表面に濃い斑点になり多くの薬剤が定着しています。
SSが往復した時の付着状況 ・SS復路の正面(対面した側)
 往路と反対となる面です。往路側と同様に赤袋の表面に濃い斑点になり多くの薬剤が定着しています。
 赤袋の表面に斑点として写る緑色は、主にオキシラン水和剤の有機銅(8-ヒドロキシキノリン銅)によるものです。
 今回の写真撮影において、薬剤定着が見やすいため赤袋を被写体に用いています。赤袋は葉に対する薬剤付着(定着)をイメージしています。
スピードスプレイヤーによる効果的な防除方法
 ・薬剤撹拌や散布性能を発揮させる使用方法は、スピードスプレーヤーの使い方
  ・薬剤付着特性を考慮した薬剤散布方法は、スピードスプレーヤーの散布方法
   ・薬剤の付着(定着)状況は、農薬の付着(定着)の状況
    ・薬剤散布ムラを防ぐためのチェック項目は、スピードスプレーヤーによる散布ムラ防止


スピードスプレーヤーのメンテナンス方法については、
姉妹サイト:農業機械メンテナンスナビ>スピードスプレイヤーのメンテナンス方法 にて紹介しています。(新規ページで開きます。)

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