梨の収穫期に使用できる殺虫剤・ダニ剤・殺菌剤一覧表
梨の収穫期に害虫の発生や病気の発生に対して使用できる農薬は、種類が限られます。収穫期に発生するハダニ類やシンクイムシ類の防除。
早生品種と晩生品種の混在する果樹園においての、早生品種の秋季防除。等、収穫期に防除が必要となった時に問題なく使用することができる薬剤のまとめです。
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殺虫剤・殺ダニ剤
薬剤の適用に記載があっても実際の防除効果には差があります。特にハダニ類を目的とした防除では、効果だけでなく薬剤抵抗性の発達に注意が必要です。ハダニ類に関する防除について詳しくは、「果樹のハダニ類防除」へ
商 品 名 | 防除効果 | 備考 |
アカリタッチ乳剤 | ハダニ類 | ※1 |
アクタラ顆粒水溶剤 | アブラムシ類、チョウゴクナシキジラミ、シンクイムシ類、カメムシ類、コナカイガラムシ類 | |
アグロスリン水和剤 | アブラムシ類、シンクイムシ類、カメムシ類、ハマキムシ類、ナシチビガ、アブラゼミ | |
アディオン乳剤 | アブラムシ類、シンクイムシ類、カメムシ類、ハマキムシ類 | |
アルバリン顆粒水溶剤 | アブラムシ類、カメムシ類、コナカイガラムシ類、シンクイムシ類、ケムシ類 | ※2 |
カネマイトフロアブル | ハダニ類、ニセナシサビダニ | |
コテツフロアブル | ナミハダニ、カンザワハダニ、ニセナシサビダニ、ヨモギエダシャク、チャノキイロアザミウマ | |
コルト顆粒水和剤 | アブラムシ、チャノキイロアザミウマ、クロコナカイガラムシ | |
コロマイト水和剤 | ハダニ類 | |
コロマイト乳剤 | ニセナシサビダニ、ハダニ類 | |
サムコルフロアブル10 | ハマキムシ類、シンクイムシ類、ケムシ類 | |
スカウトフロアブル | ナシチビガ、シンクイムシ類、アブラムシ類、カメムシ類 | |
スタークル顆粒水溶剤 | アブラムシ類、カメムシ類、コナカイガラムシ類、シンクイムシ類、ケムシ類 | ※2 同じ薬剤 |
スターマイトフロアブル | ハダニ類 | |
ダニゲッターフロアブル | ハダニ類、ニセナシサビダニ | |
ダニサラバフロアブル | ハダニ類 | |
ダントツ水溶剤 | アブラムシ類、コナカイガラムシ類、シンクイムシ類、カメムシ類、ケムシ類、チョウゴクナシキジラミ | |
ディアナWDG | シンクイムシ類、ハマキムシ類、チョウゴクナシキジラミ、チャノキイロアザミウマ | |
テルスター水和剤 | カメムシ類、シンクイムシ類、ハマキムシ類、ナシチビガ、アブラムシ類、ハダニ類 | ※3 |
ノーモルト乳剤 | ナシチビガ、ナシホゾガ、シンクイムシ類 | |
バリアード顆粒水和剤 | アブラムシ類、シンクイムシ類、カメムシ類、クロコナカイガラムシ | |
フェニックス顆粒水和剤 | ハマキムシ類、シンクイムシ類、ケムシ類 | |
マイトコーネフロアブル | ハダニ類 | |
マトリックフロアブル | ハマキムシ類、ケムシ類 | |
モスピラン顆粒水和剤 | カメムシ類、アブラムシ類、シンクイムシ類、カイガラムシ類、カキノヒメヨコバイ | |
モスピラン水溶剤 | カメムシ類、アブラムシ類、シンクイムシ類、カイガラムシ類、カキノヒメヨコバイ | |
ロディー水和剤 | シンクイムシ類、アブラムシ類、ハマキムシ類、カメムシ類、ハダニ類 | ※3 |
※2 名称が異なるが同一薬剤
※3 収穫期に発生すると大きな害となるシンクイムシ類、ハダニ類共に効果がある薬剤。共に合成ピレスロイド剤のため、薬剤抵抗性の発達に注意が必要です。
殺菌剤
商 品 名 | 防除効果 | 備考 |
アフェットフロアブル | 赤星病、うどんこ病、黒星病 | SDHI剤 ※4 |
アミスター10フロアブル | 黒星病、黒斑病、輪紋病、うどんこ病、炭疽病 | QoI 剤 |
エコショット | 黒星病、黒斑病 | 微生物農薬 |
オンリーワンフロアブル | 赤星病、うどんこ病、黒星病、黒斑病、輪紋病 | DMI剤 |
スクレアフロアブル※ | うどんこ病、黒星病、輪紋病 | QoI 剤 |
ストロビードライフロアブル | うどんこ病、黒星病、黒斑病、炭疽病、輪紋病 | QoI 剤 |
ナリアWDG | うどんこ病、黒星病、黒斑病、炭疽病、輪紋病 | QoI 剤+SDHI剤 |
ファンタジスタ顆粒水和剤 | 炭疽病、黒斑病、輪紋病、黒星病、芯腐れ症(胴枯病菌) | QoI 剤 |
フルーツセイバー | 黒星病、赤星病、うどんこ病、褐色斑点病 | SDHI剤 ※4同じ薬剤 |
ベンレート水和剤 | うどんこ病、枝枯病、黒星病、芯腐れ症(胴枯病菌)、胴枯病、輪紋病 | ベンゾイミダゾール系 |
・薬剤の成分種別で用いられる略称について
・DMI剤は、エルゴステロール生合成阻害剤(EBI剤)です。
・AP剤は、アニリノピリミジン系剤のことです。
・QoI 剤は、ストロビルリン系剤のことです。
・SDHI剤は、ボスカリドアニリド系剤のことです。
・ナシ黒星病対策専門資料
・予防薬による防除は、ナシ黒星病の予防薬の防除効果・残効性・耐性菌発生リスク一覧表へ
・特効薬であるDMI剤は、ナシ黒星病のDMI剤の防除効果・残効性・耐性菌対策へ
・黒星病の治療剤は、黒星病殺菌剤の予防剤と治療剤へ
・DMI剤・QOI剤は、ナシの農薬混用事例 DMI剤・QOI剤+殺菌剤(予防薬)へ
・殺虫剤、殺菌剤の混用は、ナシの農薬混用事例 殺菌剤と殺虫剤へ
・殺菌剤2種と殺虫剤の混用は、梨の農薬3種混用事例へ
・越冬菌防除は、ナシ黒星病の秋季防除へ
・落ち葉対策は、ナシ黒星病対策の落葉処理へ
・専門資料集は、ナシ黒星病 病原菌 対策資料集へ
・薬剤散布の効果を高める方法は、スピードスプレイヤーによる効果的な防除方法へ
・収穫期に使用することが出来る薬剤は、梨の収穫期(前日)に使用できる殺虫剤・ダニ剤・殺菌剤一覧表へ
・防除が難しいハダニ類の防除については、果樹のハダニ類防除へ