スクレアフロアブル

 住友化学株式会社の殺菌剤「スクレアフロアブル」は、有効成分マンデストロビン(40.0%)を含有するQoI剤です。
・スクレアフロアブルの使用と混用について
 スクレアフロアブルは2015年9月に農薬登録され、2016年1月から販売が開始された新しい殺菌剤です。
 近年、梨の難病である黒星病に高い効果があったDMI剤が耐性菌によりその防除効果が低下、スクレアフロアブルは防除価が低下傾向にあるDMI剤より高い防除価を示した試験データがあります。
 しかし、混用事例が少なく殺虫剤との混用による省力化。耐性菌対策のための別系統の殺菌剤混用による運用に苦慮します。

スクレアフロアブルの混用事例

混用・殺虫剤/殺ダニ剤 林檎 ぶどう
アクタラSG
アグロスリン水和剤
ウララDF
エルサン水和剤
カネマイトフロアブル
コテツフロアブル
スカウトフロアブル
スミチオン水和剤
ダイアジノン水和剤
ダニゲッターフロアブル
ダニサラバフロアブル
ダントツ水溶剤
テルスター水和剤
ハチハチフロアブル
バリアード顆粒水溶剤
バロックフロアブル
ピラニカ水和剤
フェニックス顆粒水和剤
マイトコーネフロアブル
モスピラン顆粒水溶剤
ロディー水和剤
MR.ジョーカー水和剤
混用製品名・殺菌剤 林檎 ぶどう
アリエッティC水和剤 ● 
アンビルフロアブル ● 
インダーフロアブル
サンリット水和剤 ● 
スコア水和剤
チオノック・トレノックスフロアブル
デランフロアブル
フルーツセイバー
フロンサイドSCフロアブル
ベルクートフロアブル
ベンレート水和剤
マネージDF
ルビゲン水和剤
 当サイトの管理人は梨農家の為、梨(日本なし)での混用事例を中心に紹介しています。西洋なしでは混用事例が異なります。

スクレアフロアブルの効果について

 スクレアフロアブル(マンデストロビン水和剤)の防除価については、茨城県農業総合センター園芸研究所令和2年度「ナシ黒星病に対する各種薬剤の防除効果」において、3か年において安定して高い効果を示しました。

スクレアフロアブルの使用回数・耐性菌リスクについて

 スクレアフロアブル(マンデストロビン水和剤)は、FRAC コード11(QoI 剤)に分類され、耐性菌リスクが高と評価されいます。
 耐性菌リスクが高いことからQoI 剤合算にて年間2回以内(1回までが望ましい)の使用。同一系統での連用を避けたローテーション散布にて使用することが推奨されています。

・QoI 剤とは、ストロビルリン系剤
 同系統(QoI 剤)の主な果樹用農薬として、ストロビードライフロアブル、アミスター10フロアブル、ファンタジスタ顆粒水和剤。
 同系統(QoI 剤)を含む果樹用農薬として、ナリアWDG(QoI剤+SDHI剤)。

 耐性菌リスクの大きいQoi剤においても他系統の殺菌剤を混用することで、単に防除効果を高めるだけでなく、耐性菌発生リスクを低下させることができると期待されています。
 QoI剤と他系統の試験データー等についての資料は少ないですが、他系統との混用による効果です。
 なお、耐性菌の発生リスクを主眼とした混用では、耐性菌リスクの高いDMI剤とSDHI剤による混用は適切ではなく、耐性菌リスクの低い系統(有機硫黄系、グアニジン系、Qi阻害剤、有機銅系、有機塩素系、有機硫黄系 等)が望ましく、混用事例による混用可能な殺菌剤ではアリエッティC水和剤、チオノック・トレノックスフロアブル、デランフロアブル、フロンサイドSCフロアブル、ベンレート水和剤が適していると考えられます。
QoI剤 商品名 予防薬 商品名 効果 残効
期間
種  別 耐性菌
発生リスク
備 考
スクレアロアブル 単剤での参考値 88    QoI剤  QoI剤
合算で年2回以下
スクレアロアブル + ベルクート水和剤 123 18 QoI剤+グアニジン系 -
スクレアロアブル   + トレノックスフロアブル(チオノックフロアブル) 97   QoI剤+有機硫黄系 -

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