高度化成肥料の使い方

 化成肥料は成分(Nチッソ、Pリンサン、Kカリウム)を2種類以上含んだ肥料です。その中でも、成分含有率が特に大きいもの(30%以上)を高度化成肥料といいます。
 高度化成肥料は、含有成分の比率が大きいため化成肥料の中でも特に省力化のメリットがあります。その反面、散布時の偏りや施しすぎに注意が必要な肥料です。

・化成肥料の種類
 普通化成肥料 ・・・ 成分含有率の合計が15%以上30%未満の化成肥料
              8-8-8 の場合、24%が含有率。20kg中、有効成分が4.8kg含む。
 高度化成肥料 ・・・ 成分含有率の合計が30%以上の化成肥料
              14-14-14 の場合、42%が含有率。20kg中、有効成分が8.4kg含む。

高度化成の肥料の使い方

・高度化成肥料の使い方
 普通化成肥料、高度化成肥料は基本的に同じですが、成分含有率が異なることで次のような違いがあります。
 ・高度化成肥料のメリット
 普通化成肥料(8-8-8)と高度化成肥料(14-14-14)で比較した場合、含有率が2倍近くあることから使用量が約半分程度となります。このため、搬送作業や散布作業に伴う労力が半分程度。作業時間も大幅に短縮されます。

 ・高度化成肥料のデメリット
 体積が普通化成肥料(8-8-8)と比較し半分程度のため、広範囲に均一に散布する使用では不向きであり、手散布では斑となり易くなります。特に均一散布に主眼を置く場合、散布量と散布面積を考慮したうえで肥料散布機などを使用して計画的な散布作業が必要となります。

・元肥としての使用
 高度化成肥料と元肥として使用する場合、均一散布後にトラクター等による土壌の撹拌を行うことで水平方向だけでなく垂直方向にも肥料が広がることで肥料斑を防ぐことができるため、デメリットである散布斑の影響が小さく、高度化成肥料のメリットを最大限利用することができます

・追肥としての使用
 追肥として化成肥料を使用する場合、過度に肥料分が高い箇所が生まれると肥料焼けや、生育差を起こすことがあります。また、野菜などの場合は散布後にトラクター等による土壌の撹拌を行うことができないため、散布斑の影響が特に大きく現れるため、高度化成肥料より普通化成肥料の方が適しています。
 しかし、果樹のように追肥後でもトラクター等による土壌の撹拌が可能な場合には高度化成肥料によるデメリットを軽減させることができます。
化学肥料の写真 高度化成肥料444
(窒素14%、りん酸14%、加里14%)
化学肥料の顆粒画像 高度化成肥料顆粒の拡大写真です。
顆粒は、機械撒きも出来ようように固形になっています。
農業の土づくり
 ・土作りのバランスについては、土作りの考え方
  ・堆肥の使用については、有機肥料の使用1
   ・石灰を用いた中和について、土壌改良1(石灰の使用)
    ・化学肥料の使用
     ・高度化成肥料の使い方
      ・トラクター管理機の効果については、土壌改良2
       ・油粕の使用については、果樹を甘くする有機肥料の使用
 土壌の酸性度(PH)測定に関することは、
 姉妹サイト:園芸栽培ナビ>土壌ph測定器によるph測定と調整方法(別ページで開きます)

ページトップに戻る