化学肥料・化成肥料の使用

 果樹などの生育に伴い大きく消費される地中の栄養素を補給するため、鉱物から作られた化成肥料を使用して効率よく必要な栄養素を補給します。

化学肥料・化成肥料の特徴

・化学肥料使用の目的
 果樹栽培で衰えた地力の回復に養分(Nチッソ、Pリンサン、Kカリウム)を補給します。化学肥料には含有率の違いから高度化成肥料と普通化成肥料があります。高度化成肥料の使用については、「高度化成肥料の使い方」へ。

・化学肥料の効果
 単純に成分表示にある養分を補給します。そのため、必要な養分のみを補給することも出来るほか、有機肥料と異なり、即効性で効果を表すので、効果的な養分供給ができます。
 特に追肥として使用する場合には化学肥料が適しています。有機肥料を追肥として使用するとき、あまり効果が期待できません。これは、多くの追肥肥料は効果の即効性を求めるためであり、有機肥料の使用に関係なく化学肥料を使用しないと成長に差が起きる場合があります。
 顕著な例として、胡瓜等の作物の追肥に使用する際、追肥の時期に有機肥料を中心にすると作物の抵抗力がつかず極端に弱ることもあります。

・化学肥料と石灰の弊害
 多くの化学肥料が、石灰等のアルカリ肥料と混じると、化学変化を起こし窒素ガスを発生させます。
 ガスの発生により、化学肥料中の成分が揮発するほか、石灰の中和効果が失われます。

・化学肥料と有機肥料
 土さえあれば、化学肥料だけでも果樹の栽培は可能です。
 しかし、管理人の果樹の経験では、数年間化学肥料のみを使用すると、土の色の変色(黒茶→赤茶)を確認しています。
 変色による、目に見える果樹栽培への害は確認していないものの、明らかな有機分の欠乏状態であると思われます。

 確かな因果関係を証明するデーターはないものの、果樹の甘みには地中の有機分の影響があると思われ、実際に梨の果樹園仲間には、有機堆肥の使用を止めたところ、梨が甘くなくなった(おいしくなくなった)という指摘を受けたケースを確認しています。

・化学肥料使用時期
 果樹栽培で化学肥料を使用する時期は主に2回あります。
 ・3月~6月
 当年の果実の成長や、葉や新梢がいきよく伸びるように樹勢を強める為に使用する時期です。
 ・10月
 翌年のために芽の成長(養分を蓄えさせる)為に使用する時期です。
化学肥料の写真 ・高度化成肥料444
 窒素14%、りん酸14%、加里14%
化学肥料の顆粒画像 ・高度化成肥料顆粒
 顆粒は、機械撒きも出来ようように固形の粒状です。
軽トラックと肥料写真 ・化成肥料の搬入
 外観で少なく見えますが28袋(560kg)です。
 ※軽トラックの過積載ですが、果樹園内で積載によるものです。過積載で公道を運搬しいません。
 高度化成肥料の使用については、「高度化成肥料の使い方」へ
・手押し式肥料散布機
 手押し式肥料散布機を使用して散布を行います。散布機を使用することで、この機種では幅約3.5メートルの範囲に均一に散布することができます。
農業の土づくり
 ・土作りのバランスについては、土作りの考え方
  ・堆肥の使用については、有機肥料の使用1
   ・石灰を用いた中和について、土壌改良1(石灰の使用)
    ・化学肥料の使用
     ・高度化成肥料の使い方
      ・トラクター管理機の効果については、土壌改良2
       ・油粕の使用については、果樹を甘くする有機肥料の使用
 土壌の酸性度(PH)測定に関することは、
 姉妹サイト:園芸栽培ナビ>土壌ph測定器によるph測定と調整方法(別ページで開きます)

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