苗木~3年目頃の梨の剪定
苗木からの時期は剪定で形作ることにより成木となった時の樹形を決める大切な作業です。大きくなった時の枝ぶりを想像して、細い苗木の枝でも将来太く大きい主枝となることをイメージして枝の方向付け(誘引)を行います。
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4年目から大きく横方向に広がる
・梨の樹形大きく3種類の樹形があり、樹形により木の生育特性が異なるほか、地域によっても主流が異なります。管理人は中間型を主流に剪定しており、これ以降中間型で説明します。
関東式(水平型の樹形) | 中間型 | 関西式(主枝を斜めに導いた盃状型) |
・樹形を形成する剪定に高い技術が入る。 ・中心部分の徒長枝が伸びやすく、樹勢のバランスをとりにくい。 |
まさに中間。 良くも悪くも関東式と関西式の中間に位置します。 |
枝の自然性を生かした方法。容易に形成できるが、主枝が低い位置にあり邪魔となる為、通行や機械の使用が不便です。 |
・0年目の剪定(苗木の切り返し)
苗木を植えてまず行うのが、苗木の切り返しです。苗木の先端を切り落とすだけですが、切り落とした位置が今後の樹形の基礎となります。
切り返す位置:切り返した高さが主枝の分岐させる高さとなるので、分岐させたい高さを基に大まかな位置をきめます。しかし、場所によっては葉目がない場所もあり、3個以上の葉目がある位置で切り返します。
・苗木の切り返しの注意点
苗木の切り返しについては、切り口からの枯れ込みや、病気リスクを軽減させるため3月以降に行います。
切り返しの地点のイメージ | |
切り返しを行う位置は、将来の赤丸の箇所となります。 樹木が大きくなった時をイメージして場所を決定してください。 |
・1~3年目の剪定(形成期)
梨の樹形を形作る大切な時期です。新梢の誘引を行い、徐々に中間型の樹形にしていきます。
剪定作業開始前 主枝候補の3本の枝を選びます。 作業の開始は、新梢が50cm程度の長さからはじめます。 開始時期が遅くなると、新梢が硬化し、枝が折れたり、元から裂けたりしやすくなります。 |
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側面図 平面図 |
・誘引用の支柱を用意する。 枝を誘引する為の支柱を立てます。 支柱の角度は、樹形と同じ45度の角度を目安に3本立(左の写真参考)てます。 各支柱は、3方向に広がるように120℃を目安(下の写真参考)に広げます。 支柱で、幹を挟み込まないようにします。 |
誘引作業開始は、新梢の裂けたりしないよう、支柱で幹が固定されてから開始します。誘引の作業は、枝折れがしないよう、新梢の付け根を手で押さえながら、ねじるりながら倒して支柱に固定します。 新梢の先端部分は、上向きに誘引しておきます。上向きにする長さは、伸びの悪い新梢程長くし、勢力を調整します。新梢の伸びに応じて、角度を調整し、倒していきます。 主枝候補以外で、伸びた新梢がある場合は、水平に倒して勢力を弱めます。(側面図の一番下の枝、参考) ・新梢の先端 主枝の先端は、先端(1芽)のみの切り返しを行う。新梢が極端に細い場合は、充実している部分(ある程度の太さがある)で切り返します。 ・剪定の紐 新梢誘引時に使用する紐は、枝太りがはやいため食い込みに注意が必要です。 腐食する縄等を用いたり、新梢の肥大する隙間が残るよう紐を8の字にして結びます。 |
基本的に1年目と同様に、誘引作業の続行する。
主枝と競合する伸びを見せる強い枝を切り落とすが、それ以外の枝を多く残し軽い剪定とする。主枝に短果枝が付くため、1~2個なら実らせることも出来る。
・梨の剪定
・梨の剪定1 苗木~3年目頃
・梨の剪定2 4年目頃から
・剪定作業の樹勢バランスの判断方法
・主枝の復活
・梨の剪定3 樹勢バランスを整える方法
・剪定鋏の使い方
・トップジンMペースト 使い方(殺菌癒合剤)