果樹の雪下ろし(雪害対策)
降雪のある地域では、降り積もった雪の重量により枝折れや分岐部裂開や倒木。果樹棚の倒壊や変形など大きな被害を受けます。果樹が埋まるような降雪では果樹の周りの雪を掘る堀上げや溝切。雪割り等の対策による枝折れ予防や果樹棚補強行います。果樹の上に多く積もる場合には雪下ろしを行い枝折れを予防します。・降雪量の多い地域の雪害対策
・堀上げ、溝切り、雪割り
雪が溶けて沈降するときに果樹の枝や幹の分岐部分の被害(裂開)を防止するため、雪の沈降力に対する対策として行われる雪害対策。
雪に埋もれが果樹の周囲の雪を掘る掘り下げ。周囲全体の沈降力働かないよう、果樹の周りの溝を切るように一部だけを掘る溝切りや、スコップなどで雪に切り込みだけを行う雪割りなどがあります。
・果樹棚の補強と補修
雪による荷重に耐えれるよう支柱や吊線の追加。雪の重みによりずれて伸び緩んだ棚線の留め具(クリップ)の調整。浮き上がったアンカーとの棚線の調整等を行います。
支柱の追加は、冬季のみ一時処置として竹などによる太い幹への支え等を行うこともあります。
・降雪量の少ない地域の雪害対策
・雪下ろし
果樹棚への着雪・着氷。果樹に降り積もった雪の重みによる枝折れを防止するため 積もった雪を落とす雪害対策。果樹棚や枝を揺さぶる。衝撃を与えるなどして雪を下に落とします。
積雪が凍り付くなど積雪量が大きく増える。雨水を含んで重くなると枝折れが発生し易くなります。
・降雪地域の共通の対策
・防取網、降雹ネット、ビニール類の撤去
果樹棚などに設置したビニール。網目の大きい防取網であっても着雪・着氷により雪が降り積もるため冬季前に外します。
・粗剪定の実施
明らかに不要な徒長枝などの枝を降雪時期までに落とし、果樹の上に積もる積雪量が少なくなるようにします。また、粗剪定を行っておくことで雪が落ちやすく雪下ろし作業もし易くなります。
・作業上の注意
雪害対策を行う時期、多くの地域で雪に埋もれ、何かあっても周囲は気付かない状況での作業となります。
不測の事故に備え、出来れば複数人で作業を行い、事故発生時の連絡手段。作業実施を予め周囲に伝えておくなど、普段の作業以上に安全管理に注意が必要です。
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雪害対策
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雪が積もった木 降雪による積雪は非常に大きな重量が加わることで、枝折れや幹が裂ける。果樹棚の倒壊などの被害が発生します。 被害を防止するためには降雪前から予想される降雪量に合わせた雪害対策が必要となります。 |
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粗剪定の実施 明らかに不要となる大きな枝の除去を行います。 粗剪定では降雪時期までに行うことが重要となるため、不要な徒長枝などを手早く除去します。 |
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防鳥ネット・降雹ネットの片付け 春・夏に設置したネット類を片付けます。 ネット類の上に雪が積もると果樹棚が倒壊するなどの大きな被害が発生する恐れがあります。※ |
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果樹棚の補強・枝受けの設置 果樹棚の強度が不足する箇所補強や修繕。大きな枝では積雪によう荷重に耐えれるよう枝受け支柱を追加します。 |
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折れた枝、裂けた幹(裂開)の処置 雪で折れた枝や裂けた幹は、くっつけて補強するか切断して断面を整え、病気の感染を予防するため保護材を使用します。 |
予想外の早い時期の降雪や、諸事情によりネット等の片付けが出来ない場合、果樹棚等の設備を守るためネットを再利用できなくなりますが裁断して地上に引きずり落とすなどの処置が必要となります。