苔取り
古くなった果樹の幹は、樹皮の入れ替わりが遅くなることで苔が繁殖します。繁殖した緑の苔は、主にそぎ落とす等の方法により除去します。苔の除去作業は必須の作業ではなく、放置しても大きな問題となることはあまりありません。しかし、基本的に苔は除去することをおすすめしています。
|
苔の繁殖が果樹に繁殖しても、直ちに発生するような直接の害はありません。しかし、放置することで苔や苔に含まれる水分等により少なからず弊害が発生します。
・苔を取る理由
果樹の苔を取る。取らないは、基本的に栽培者の考え方です。管理人の苔を除去する理由としては、
① 気になるから・・・
気になるものしょうがない。
② 幹の病害虫の発見が遅れる。
カミキリムシの侵食が、表皮に繁殖する苔により確認がおくれ、発見時には深刻な被害になっている場合がある。
③ 表皮の腐食が早まる
腐食した部分に苔が繁殖することで、保湿がなされ、健全な部分の腐食を促す。
・苔を取る方法
①物理的な除去
鎌などで苔や古く剥離しかけた樹皮ごとを削ぎ落とします。
作業では雨上がり後など、苔がたっぷり水分を含んでいる時の方が剥がれやすくなっています。
古く自然に剥離した樹皮を削ぎ落としても、幹に傷をつけていないので薬剤等の後処理の必要はありません。
樹皮を削り落とす作業は、専用の道具がないとかなり時間がかかります。「梨・柿の木の皮削り:浅野木工所」があると作業効率が格段に良くなります。
②薬剤等による除去
薄めた酢、化成肥料の硫安を水に溶かし(かなり濃く)て吹きかけると苔を枯らすことが出来ます。
この他、 農地等では使用できません(農薬ではない)が、レインボー薬品「こけとーるシャワー・スプレー」を使用すると土壌の表面等のこけを纏めて枯らせることができます。
・苔が繁殖する原因
・老木化や病気などにより樹勢の低下等により、樹木の樹皮の入れ替わりが遅くなった。
・樹木の付近に原因となる苔が繁殖し、胞子等が多く飛散している。
・多湿や日当たりが悪い等、土壌PHが酸性になるなど苔の生育に適した環境にある。 など。
コケの再付着を予防するためには、可能であれば原因の除去又は改善させるすることが必要です。
幹の古い樹皮に生えた苔の除去
苔の生えた幹 果樹の幹の根元から、苔が繁殖し表皮を覆っています。 |
|
鎌を使用した苔の除去 鎌の刃の背を使用して苔を削ぎ落とすようにして、苔の除去を行います。 |
|
鎌による苔の除去後 苔が若干残っていますが、幹に傷をつけない範囲で作業を終了します。 |
|
梨・柿の木の皮削り 浅野木工所の「梨・柿の木の皮削り」苔の除去他、輪紋病の病斑、カイガラムシの樹皮の表皮毎の除去にも使用します。(価格2,000円程) |
|
「梨・柿の木の皮削り」苔の除去 「梨・柿の木の皮削り」を使用した苔の除去。 他の道具と比較して作業性が良く、簡単に除去することができます。 |
|
「梨・柿の木の皮削り」による苔の除去後 専用道具のため苔の残りが少なく仕上げることができます。 |